只見線は日本でも有数の豪雪地帯、新潟県魚沼市と福島県只見町間を行くローカル線であると共に、日本有数の赤字路線である。にも関わらず存続できている大きな理由の一つが「雪」だ。
新潟県魚沼市から福島県只見町へ行くには、国道252号線を車で通る方法もあるが、このルートは例年11月末頃~翌年5月頃(雪の量によって変更あり)まで冬季通行止めとなり、その間、唯一の交通手段が只見線となるためだ。
冬の只見線沿線には、豪雪地ならではの風景や人の営みの足跡が多く存在している。そもそも、こんな豪雪地帯に線路を敷き、橋梁、トンネル、駅を作り、列車を走らせていること自体が、人による壮大な産業の足跡だ。本日は、只見線沿線の冬を五感で感じる一日です。
越後須原を訪れる
只見線「越後須原駅」周辺には、徒歩10分圏内に須原スキー場、酒蔵見学ができる「越後ゆきくら館」、冬季間は休園中だが奥只見レクリエーション都市公園など、自然や地酒が体験できる観光施設が存在している。中でも、国重要文化財の豪農の館「目黒邸」の冬景色は壮観だ。茅葺屋根には雪を纏い、主屋内は凛とした冬の空気に包まれる。
寛政九年(1797年)に建てられた主屋には当時の部屋割りや生活の道具がそのまま残されており、古の雪国での生活様式や風土を体感できる場所になっている。春には、この「目黒邸」から徒歩5分の「目黒邸資料館」も営業を再開する。奥只見レクリエーション公園も含めて、春にもう一度訪れたい場所だ。