暮らすスローな暮らし

只見線をゆく③

蕎麦と新緑ドライブで
沿線を愉しむ

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只見線沿線を新緑ドライブ

 列車に乗るだけが、鉄道の楽しみ方では無い。時には沿線の道路を車で走り、鉄道の風景を眺めることも楽しみの一つだ。特に只見線は、傍らを国道252号線が通り、福島県の会津若松まで通行が可能だ。只見線と破間川の渓谷沿いを進み、「六十里越」と呼ばれる、魚沼市と福島県只見町の24㎞に及ぶ区間は山岳地帯や田子倉湖沿いを走る秘境ムード満点の峠道。

 折しも、前年の11月上旬からの冬季通行止が解除されたこの時期は、残雪と自然の厳しい冬の跡や新緑を眺め、豪雪地帯の遅い春を感じながらドライブを楽しむことができる。

初めに小出駅の「見学」・駅裏、魚野川の土手を只見線の車両を見ながらの散歩が心地よい

国道252号沿いのおススメ蕎麦店3選!

 只見線の駅名で表現すると、小出駅―大白川駅間には実に多くの蕎麦店が存在する。地元魚沼産のそば粉や水を使った、手打ち蕎麦店も多い。せっかく車で行くのだから、そういった所に立ち寄りながらドライブを楽しみたい。この魚沼市守門・広神・入広瀬のエリアでは、春は山菜、夏は地場の野菜、秋はきのこと、蕎麦とともに、この地域ならでは食材も併せて楽しむこともできる。

 そんな国道252号線沿いの個性的で人気なお店3店をご紹介。只見線沿線の風景と共に地元ならではの味覚を堪能したい。

 

魚沼産のそば粉を使用した田舎そば風のやや太めの蕎麦が特徴的・店の横を只見線が走る

①そば処 げんたん

 小出駅から、会津若松方面へ約12㎞車を走らせると到着。地域の山菜・野菜・山野草直売所「ものずき村」に隣接している。「げんたん」その店名は、「減反」政策により、米作りを止めた田んぼを利用して作った地元のそば粉を使用している所から、ネーミング。

 つなぎには布海苔を使用しているが、やや太めで、いわゆる田舎蕎麦風の食べ応え。季節の野菜天ぷらも一皿100円(※訪問時の価格)と、リーズナブル。

  • 住所 新潟県魚沼市三渕沢40‐1
  • 営業時間 11時~13
  • 定休日 水曜日
  • 営業期間 3月~11

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破間川、只見線沿いに、会津若松方面へ向かう

道の駅「いりひろせ」

女神伝説が残る「鏡ヶ池」・波風が無い日は鏡のように周囲の景色が映り込む

湖上レストラン・鏡ヶ池

名物「ごっぽうそば」と入広瀬の郷土料理「ホッケずし」

②湖上レストラン・鏡ヶ池

 そば処げんたんから会津若松方面へ約10㎞車を走らせると到着。「道の駅いりひろせ」に隣接している。名物は「ごっぽうそば」。「ごっぽう」は、オヤマボクチというキク科の植物で、山菜としては「山ごぼう」と称される。そんな「ごっぽう」の葉と布海苔をつなぎで使用し、手打ちで提供。コシの強さと喉越しの良さが特徴的な逸品だ。  

 その他、山の幸メニューも豊富。店内から鏡ヶ池を一望でき気分が良い。

  • 住所 新潟県魚沼市大栃山342
  • 営業時間 10時~15
  • 定休日 無休
  • 営業期間 4月下旬~11月下旬

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道の駅「いりひろせ」を会津若松方面へ出発

只見線「大白川駅」手前の国道252号線の風景

只見線「大白川駅」

只見線・大白川駅2階にある、「そば処 平石亭」

「そば処 平石亭」の人気メニュー「鬼面そば」※昨秋に訪れた際の画像を使用しています

➂そば処 平石亭

 道の駅いりひろせから会津若松方面へ約7㎞車を走らせると到着。只見線「大白川駅」2階にある超人気店。営業日はほぼ行列が絶えない。

 魚沼産そば粉100%使用し、手打ち手切りで提供される蕎麦は風味、口触り、コシ共に絶品。人気メニューの「鬼面そば」は、季節の天ぷらと山菜小鉢(二品入り)付き。

 春の「山菜ぶっかけそば」、夏の「夏ぶっかけそば」、秋の「天然きのこそば」と、季節の限定メニューも魅力的。

 その他の名物は「どぶろく」。

 自家栽培の魚沼産コシヒカリと名峰浅草岳の麓から湧き出た水を使用した、しみじみ味わいたい逸品になっている。

  • 住所 新潟県魚沼市・大白川駅2階
  • 営業時間 11時~15
  • 定休日 月曜日~金曜日(祝日は営業)
  • 営業期間 4月下旬~11月下旬

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山菜の宝庫と言われる、魚沼市入広瀬地区

大白川駅を過ぎ、国道252号線は「六十里越」の峠道へ向かう

只見まで、あと20km

福島県境・国道252号線の「六十里越トンネル」

「六十里越トンネル」を抜けると、田子倉湖沿いの深い谷、高い山々など、山岳地帯の景色に変る

只見線旧田子倉駅跡→田子倉ダム→只見町市街地へ

今回のゴール只見駅・回転台等、懐かしい鉄道の風景が残る・通る列車は上下あわせて一日6本