新年を迎えました。皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
新潟は雨の元日と、なりました。初詣に行かれた方も足元の悪い中での参拝になったことと思います。
新年を迎えたハレの日にいただく料理として、誰もが思い浮かべるものが「おせち料理」だと思います。現代においては、完成されたものが、気軽に店頭や通信販売などで購入できる世の中になっています。また、その内容も伝統的な料理の他に、豪華な食材をふんだんに使い、現代風にアップグレードされたものも多くなっています。
今回のコラムでは、ひと昔前の、新潟の「正月の食事」について振り返ります。
――農山漁村文化協会出版の『聞き書 新潟の食事』――
より、一部をご紹介させていただきます。
①蒲原地域(福島潟周辺)の正月の食事
- のっぺ
- 煮菜(切昆布、鮒)
- 数の子
- 酢豆
- なま酢(大根とみかん)
- 雑煮
②岩船地域(村上市周辺)の正月の食事
- 煮しめ(にんじん、ごぼう、豆腐、こんにゃく、里芋、大根)
- 鮭
- 醤油はらこ
- 飯ずし
- 納豆
簡単に一部を紹介させていただきましたがいかがでしょうか?率直にハレの日にそぐわないような質素なものと、感じる方も多いのではないでしょうか?昭和初期から中期位までの正月の食事と思われますが、当時の人々にとっては「ご馳走」で、さらに、滋味深い豊かな味わいが存在していることを強く感じとることができ、まさに、新潟の素地を作り上げている食事であると言えるのではないでしょうか。
新年にあたり「正月の食事」にスポットを当ててみましたが、今後、当ウェブマガジンの「食する」や「聞く」において、新潟の「郷土料理」や「ハレの日の食」に関わる食材や地域の掘り下げや、人の紹介等も行っていきたいと考えています。今年度も、何卒宜しくお願い申し上げます。