番屋汁の「番屋」とは、漁師の作業小屋の事です。その昔、漁師が共同で漁をしていた頃、その日、獲った魚を大鍋に入れて味噌汁を作り、皆で食事をしていました。その番屋で作る味噌汁を「番屋汁」と呼び、新潟では、長岡市寺泊地区の名物料理となっています。現在では、寺泊港周辺の海鮮料理店のメニューや魚市場の店頭でも販売されています。
今回の新潟食材
カナガシラ
新潟では、村上市の笹川流れ、佐渡、寺泊、糸魚川市能生などで底引き網で漁獲されています。白身の魚で刺身、塩焼き、煮付け、唐揚げで美味しくいただけますが、よい出汁がとれるので、味噌汁に好適な魚です。
ワタリガニ(ガザミ)
新潟の近海では、刺し網にて漁獲されています。秋から冬にかけてはミソや内子(卵)の濃厚な旨味が味わえます。カナガシラ同様、とても良い出汁がとれます。
番屋汁材料(6~8人分)
- カナガシラ 6尾
- ワタリガニ 2杯
- 長ネギ 1本
- 味噌 適宜
- 醤油 適宜
- 水 2ℓ
作り方
- カナガシラの鱗、内臓、ヒレ(カナガシラはヒレが長いので気になる方は取り除いて下さい。)を取り、ぶつ切りにする。
- ワタリガニを洗い、フンドシの部分を取り、二つに切る。
- 長ネギを切る。
- 鍋で湯を沸かし1と2を投入する。
- アクを取り、魚介類に火が通ったら3を投入する。
- 味噌と醤油を適宜入れ、味を調えて完成。
※漁師料理らしく、細かいことは気にせずに豪快に作ることがポイントです。
ブリや鮭のアラや、白菜を使っても美味しくお召し上がりいただけます。大きなお椀やどんぶりによそって、野趣あふれる新潟の味覚をお試し下さい。