食する新潟の郷土料理

くじら汁

2024812

新潟と「くじら汁」

 冬は寒く、夏の暑さは厳しい。

 そんな新潟の特徴的な気候風土の中で、夏に食する郷土料理として存在しているのが「くじら汁」です。

 「くじら」は、その昔、西日本で獲れたものが塩漬けにされて、北前船で新潟に運ばれていました。

 「くじら汁」は、そんな「くじら」の脂肪による、こってりとした味わいが特徴的な、新潟の夏のスタミナ食の一つで、野菜は茄子を入れるのが必須です。その他、「ゆうがお」「冬瓜」や「ミョウガ」も相性の良い食材です。また、じゃがいもや玉ねぎを使用するご家庭もあります。

 主流は味噌仕立てですが、醤油仕立てでも美味しく仕上がります。

 

新潟の茄子

 新潟県は茄子の生産が盛んで、作付け面積が日本一です。

 漬物が美味しい「十全茄子」、実が柔らかく焼物に最適な「焼茄子」、煮ても焼いても蒸かしても、あらゆる料理に適している「丸茄子」など、新潟県内にはそれぞれの地域特有の在来種が約20種類も存在しています。

 今回、ご紹介した「くじら汁」を始め、新潟の夏は、数多くの茄子料理が食卓に並びます。

新潟の夏の定番食「くじら汁」

材料(4~5人分)

  • 塩くじら 70
  • 丸茄子 1個
  • 冬瓜 200
  • 長ネギ 1/2
  • みょうが 3個
  • 煮干し 4本
  • 味噌 40
  • 酒 大さじ2
  • 水 800

 

作り方

  1. 鍋に水と「頭・はらわた」を取り除いた煮干しを入れ約30分置く。
  2. 塩くじらを水洗いし、一度茹でこぼす。
  3. 丸茄子、冬瓜を食べやすい大きさに切る。
  4. 長ネギ、みょうがを薄切りにする。
  5. 1を火にかけ煮立ったらアクを取り、弱火で6~7分煮た後、煮干しを取り除く。
  6. 5に3と酒を加えて煮る。
  7. さらに2と4を加えて煮る。
  8. 食材に火が通ったら、味噌をといて完成。

 

 新潟では夏になるとスーパーマーケットの店頭にも「くじらの塩漬け」の切り身が沢山並びます。保存ができる「くじらの塩漬け」は古来より、海岸部の人々だけではなく、新潟県の山間地でも、貴重なたんぱく源として、食されていました。このように「くじら」は、身近な食材として新潟の食文化に根付いています。

「塩くじら」切り身

新潟県産「丸茄子」

新潟県産「冬瓜」