紐解く

雪のひとつ手前

霜月の三条市にて。

20231130

 気が付けば、明日から師走である。

 ある程度の年齢を重ねた方々は、口々に「一年が早い」と言い始める頃合いである。かくなる自分も、日々意識をしている訳では無いのだが、年々一年が過ぎるのが早いのをこの時期に実感している。

 新潟の天候も毎年の如く、「安定の不順」な天候で、気まぐれに小春日和な日があったかと思えば、冷たい雨が降り、北や西方面からの風が吹きつける日も多くなってきた。ほんの一週間前までは、近所の桜並木や庭の木々達が、色とりどりの紅葉の様子を楽しませてくれていたが、今日現在、その葉達は、地面やアスファルトの上を彩っている。

 

 段々と新潟の景色から、色が減って行く。

 

 雷が光り、雷鳴が轟く。屋根や窓に打ち付けていた雨の音が「カラカラ」という霰の音に変ると、もう雪景色はすぐそこにある。鉛色の空、白銀の世界という新潟の見慣れた風景だ。(鉛色の空でも、雪や雨が降っていなければ、「晴れている」という新潟だけの冬ルールもあったりする。)

 これから向かう冬に暖色を残しているのは、誰も収穫することなく残されている柿の実だ。

 近年、よく放置林の問題を耳にすることが多いが、この「放置柿」も同じようなことなのではないだろうか、かつては誰かにとって必要な物だったはずなのだが、人に置き去りにされた、その姿を冬に晒すことになる。

 

 もう一年が終わってしまうことへの焦燥感なのか、とりとめのないことを綴ってしまった。

 

 明日から師走。

 雪のひとつ手前。