暮らす古の新潟探訪

彌彦神社に詣でる

神社で「感謝と祈り」

202252

弥彦神社

 越後国一宮と称される神社があります。

 新潟県西蒲原郡弥彦村の天香山命(あめのかごやまのみこと)が、ご鎮座され、ご神体を弥彦山に持つ「彌彦神社」です。創建から2400年以上の歴史があると言われています。

 天香山命は、天照大御神(アマテラスオオミカミ)の曾孫にあたられ、紀元前657年に、神武天皇より越後国平定の勅命を受け、現在の新潟県長岡市寺泊野積の海岸にご上陸されました。そして、当地の住民に漁業、製塩、酒造などの技術を授け、そののち、海から山を越え、今の弥彦に移られ、人々に稲作と畑作を指導したと言われています。

 また新潟県における諸産業の開祖と言われ、特に古来、日本国内では新潟に原油の埋蔵量が多かったことから「石油開発」の神様としても崇められています。

 と、ここまで「彌彦神社」に関して、綴ってきましたが、皆さんにとって神社とはどういった場所でしょうか?このように神社に祀られているのは、古にこの土地を創造した神や、その土地に住む人々や産業に縁のある神であり、その神への畏敬の念を持った人々が神社を支えてきました。

 あるいは、人類では抗うことのできない自然現象に対しての畏怖の念が自然物を崇拝する文化として日本に根付いてきました。

 現代を生きていると、その文明の進化により、あらゆる便利さを当たり前のように享受できるため、自分という個だけが現在を生き、古来、人々が紡いできたものの上に、生活が成り立っているという感覚が希薄になったりしています。

 また、本来自然の一部である人間が、逆に自然に対して、人間の一部であるかのような振る舞いを行ったりしていることも、あるのではないのでしょうか。

 今度、神社に詣でる時は、少し「個の願い」を捨て、森羅万象の中で、自分が生かされている感謝や、今の自分が生きている土地を創造していただいた神への感謝。そして、自分が生きた後、次世代が安寧に暮らせることへの、祈り。そんな「感謝と祈り」の思いで神社を詣でてはいかがでしょうか。そんな風に心を整えることが、心のゆとりを生みだすライフスタイルに近づく方法の一つとも考えています。 

彌彦神社上陸の地石碑

天香山命上陸の地石碑・長岡市寺泊野積

野積海岸

長岡市寺泊野積の海岸

妻戸神社

妻戸神社・長岡市寺泊野積

妻戸神社

妻戸神社・長岡市寺泊野積

彌彦神社、ご縁の地

 

長岡市寺泊野積地区

 天香山命が上陸されたといわれる地の石碑があり、付近には、「男釜・女釜」といわれる当地の住民に製塩の技術を授けたと伝えられる場所があります。

 

妻戸神社

 天香山命の妃神・熟穂屋姫命(うましほやひめのみこと)が祀られています。

 

御神廟

 弥彦山の山頂(ロープウェイ駅から約徒歩10分)には、天香山命と妃神・熟穂屋姫命が祀られています。日本海と越後平野が見渡せる大変眺望の良い場所です。

やひこざくら

弥彦山九合目売店付近に咲く「やひこざくら」

弥彦山山頂

御神廟・弥彦山山頂